「紙魚の手帖」(東京創元社)vol. 2にSF短篇「さいはての実るころ」を寄稿しました

 終刊となった「ミステリーズ!」に代わり、新しく始まったオールジャンル文芸誌「紙魚の手帖」。

そのvol. 2にSF短篇「さいはての実るころ」を寄稿しました。

体が半ば機械でできた人間と、体が半ば植物でできた人間。

人類が滅んだ後のはるか未来、互いの存在も知らず生きていた二つの種族からはぐれた孤独な一人と一人が、静かな湖のほとりで邂逅します。

植物人は恋に落ちると、大きな赤い実を結んで種を残すといいます。

「誰にとっても喜ばしいこと。そうよね。みんなそう言うわ」

……ほんとうに?

ひとときの出会いと、別れと、それから。

そしてこの世界の秘密とは。



扉絵は、「ミステリーズ!」vol. 102掲載の「無垢なる花たちのためのユートピア」と同じく、山田緑さんに描いていただきました。

「無垢なる〜」の時も、美しくかつ想像の広がる扉絵を描いていただいたので、本誌が届くのをとても楽しみにしていました。

詩的で繊細な扉絵にどうぞご注目ください。


余談。

この作品、個人的にはアセクシュアルSFとして書きました。

アセクシュアルの方におすすめ、かどうかはあんまりわからないのですが。

わたしはアセクシュアルなので、自分から見えている世界は他の人にとっては結構SF的かもしれない、と思うのです。

そしてSFは、「普通の人間として想定されていない存在」の目を読者が共有することができる、そういうものだと(そういうものであってほしいと)思うのですよね。

SFに限らないけれど。

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