『短歌』(角川)12月号に新作7首「ルピナスの焔」を寄稿しました リンクを取得 Facebook Twitter Pinterest メール 他のアプリ 11月 26, 2021 『短歌』(角川)12月号に新作7首「ルピナスの焔」を寄稿しました。https://www.kadokawa-zaidan.or.jp/product/322011000120.htmlルピナスの焔《ひ》はゆらめけり友人が親友と呼ぶひとを知らない「友達」をテーマにした一連です。お読みいただければ幸いです。 リンクを取得 Facebook Twitter Pinterest メール 他のアプリ
第65回現代歌人協会賞の授賞式に出席しました 1月 05, 2022 2021年12月23日、学士会館にて、現代歌人協会賞の授賞式が行われました。 6月に行われる予定だったのですが、昨今の情勢により延期となっていました。 大変な状況の中で開催していただけたことに感謝します。 来てくださった方、遠くで応援してくださった方、選考委員の方々、現代歌人協会の方々、版元である書肆侃侃房の方々、そしてもちろん読者のみなさま、ありがとうございました。 当日の受賞スピーチでお話した内容をこちらに掲載します。よかったら読んでみてください。 現代歌人協会賞受賞スピーチ 歌集を編み始めてから、あるいはそれより前、歌壇賞をいただいた頃から、自分の歌は美しすぎるのではないかと思い始めました。 真善美という言葉があります。私は真と善を求めているつもりでしたが、自分の価値観の根本には美意識があるのだと気付きました。 でも、美とは何でしょう。私は、美を最上の価値として無邪気に掲げることはできません。 歴史上、数々の芸術が女性を美のアイコンとして用いてきました。そうした芸術は、女性を人格あるものとして認めませんでした。そのことは、女性への抑圧であり搾取でした。 何かを、美しいと思うことは、つねに対象への搾取なのだと思います。 それを、若い女性として私はずっと感じてきました。 対象が人間でなければ搾取にならないわけではありません。 動物に対しても、植物に対しても、風景に対しても、その美しさを愛でることは誰からも許されていないと思うのです。 人間はその美しさを愛でることで対象に権力を振るい、支配してきたからです。 女性が人間ではないものとされ、暴力を振るわれてきたのと同じように、人間は人間以外のものに暴力を振るってきました。 言葉の美しさを愛することだけが、その罪から自由であるとは言えないだろう、と次第に私は思うようになりました。 また、私の歌が多くの人から見て疑問の余地なしに美しいとしたら、それは私の歌が既存の美の価値観に則っているということです。 そして、既存の美の価値観とは、他の多くの既存の価値観と同様、差別的なものです。 それは美しいものと美しくないものとを区別し、美しいとされたものを搾取し、美しくないとされたものを貶め、両者の間を分断しているからです。 歌を続け、次第に上達し、自分の望むような美しい歌を作れるようになってきて、私はそれがほんとうに美しくていい 続きを読む
東京創元社より短篇集を刊行します 1月 05, 2022 今年、東京創元社よりはじめての小説集『無垢なる花たちのためのユートピア』(仮題)が刊行されます。 Web東京創元社マガジン より概要を引用します。 ■川野芽生『無垢なる花たちのためのユートピア』(四六判) 純粋無垢な少年たちとその指導者を乗せ、天空をゆく船。最も楽園に近いはずの船上で起きた悲劇と、明らかになる真実とは(「無垢なる花たちのためのユートピア」)。人間が人形へと変化してしまう病が流行った村で、ひとり人間のままの姿で救出された少女は、司祭のもとで手厚く看病される。しかし怪我が癒え、うつくしさを取り戻した少女は限りなく人形に近づいているようで……(「人形街」)。『Lilith』で現代歌人協会賞を受賞した注目の歌人による初の幻想文学作品集。 小説(物語?)を書き始めたのは、短歌に出会うより前、というか物心ついた頃からです。 ただ、小説の方は、中高と文芸部や文学同好会に所属して部誌に作品を発表していた他はほとんど人に読んでいただく機会もなく、一人で書いてきました。 大学に入ってからは、短歌の方にのめり込み、小説を書くことからはしばらく離れたりもしました。 が、東京創元社主催の創元ファンタジイ新人賞に応募して最終候補に残ったり、noteで発表したエッセイを編集者さんに読んでいただいたりしたことから、始動したばかりの書き下ろしSFアンソロジー 『Genesis』シリーズ第二巻 に呼んでいただき、はじめて小説を発表する機会を得ました。 それが『Genesis』第二巻の表題作となった「白昼夢通信」でした。 それ以降、「ミステリーズ!」やその後継誌「紙魚の手帖」、『Genesis』第四巻(いずれも東京創元社)で小説を書かせていただいてきました。 このたび、今まで発表した作品に書き下ろしを加えて単行本化する運びとなりました。 発表媒体はSFアンソロジーだったりミステリ専門誌だったり、応募した賞はファンタジーだったりと、自分の書いているもののジャンルはよくわかりませんが、紹介文に書かれている通り、「幻想文学」というのが一番近いのかなと思います。 なお、この短篇集には入っていませんが、いっとき カクヨム に掌篇を投稿していました。主に即興的に書いた小品ですが、ご興味のある方は覗いてみてください。 小説で本を出すのはずっと夢でした。 これから何度でも夢を叶えたいです。 この本を現在 続きを読む